毎年、世界の航空会社の格付けを発表しているAirlineRatingsが、今年も2020年向けに「最も安全な航空会社ランキング」を発表しました。
最も安全な航空会社ランキング
順位. 航空会社名. <運営する航空会社の所属国名>
- カンタス航空 (Qantas Airway) <オーストラリア>
- ニュージーランド (Air New Zealand) 航空 <ニュージーランド>
- エバー航空 (EVA Air) <台湾>
- エティハド航空 (Etihad) <UAE>
- カタール航空 (Qatar Airways) <カタール>
- シンガポール航空 (Singapore Airlines) <シンガポール>
- エミレーツ航空 (Emirates) <ドバイ>
- アラスカ航空 (Alaska Airlines) <アメリカ>
- キャセイパシフィック航空 (Cathay Pacific Airways) <香港>
- ヴァージン・オーストラリア (Virgin Australia) <オーストラリア>
- ハワイアン航空 (Hawaiian Airlines) <アメリカ>
- ヴァージン・アトランティック航空 (Virgin Atlantic) <イギリス>
- TAPポルトガル航空 (TAP Portugal) <ポルトガル>
- スカンジナビア航空 (Scandinavian Airline System) <スウェーデン>
- ロイヤル・ヨルダン航空 (Royal Jordanian) <ヨルダン>
- スイス インターナショナル エアラインズ (Swiss) <スイス>
- フィンエアー (Finnair) <フィンランド>
- ルフトハンザドイツ航空 (Lufthansa) <ドイツ>
- エアリンガス (Aer Lingus) <アイルランド>
- KLMオランダ航空 (KLM) <オランダ>
ランキングでは、航空関連機関や団体、また各国ごとの審査、事故や機体の破損の有無、収益性、保有機の機齢、また、最新機の導入などについて総合的に判断しているそうです。
AirlineRating.comとランキングの基準
AirlineRatingは航空会社の安全性や各種サービスのランキング(格付け)を行なっている民間団体です。
彼ら独自で設けた7つの項目に従い、各航空会社の安全性について★7つで評価しています。情報は自由に閲覧可能です。
AirlineRatingは2013年6月に格付けを初めて発表していますが、2014年にはIOSA(国際運航安全監査(後述))によりシステムの改善指導を受けています。
空の安全について、国際的な指標に基づく「評価基準」をしっかり取り入れているので、信憑性があります。
AirlineRatingの「7つ★」評価基準
上記の「安全評価」の基準は主に7つの項目について調査されたものであり★7つが満点となっています。
★:星一つ加点、☆:星一つ減点
- IOSA(IATA Operational Safety Audit)の認証を受けているか(★★★)
- EU (ヨーロッパ連合) の「ブラックリスト」に載っていないか(★)
- 直近10年間で死亡事故があったか(★)
- FAA(米国連邦航空局)から承認を受けているか(★)
- ICAO(国際民間航空機関)の8つの監査項目のうち6つ以上に合致しているか(★ 5つに合致している場合は★半分)
- 所属国の航空局による運航の差し止めがあったか(☆)
- 航空会社が旧ソ連もしくは、1990年以前の航空機のみを使用しているか(☆)
1. IOSA(IATA Operational Safety Audit:国際運航安全監査)とは?
IOSAとは、国際航空運送協会(IATA)が設定した安全監査プログラムです。2年に一度、更新する必要があります。IOSA認証を取得していれば、国際的な安全基準を満たしていると言えます。
国際航空運送協会(International Air Transportation Association)とは?
国際航空運送協会は、世界の航空会社で構成される業界団体。およそ120か国、約265社の航空会社が加盟し、世界の定期運航のうち約83%をIATA加盟の航空会社が占めている。
Wikipedia
AirlineRatingのランキング評価としては、IOSAの認証を受けていれば★が3つ与えられます。
2. EU Air Safety List(ブラックリスト)に乗っているか?
EUが定める国際安全基準に「合致しない」航空会社をリストアップしています。通常、年に2〜3回アップデートしています。このリストに載ると、EUの空域を飛行できません。
気になる方はEUのHPもご参照ください。
Aviation Safety: Commission adopts new EU Air Safety List
AirlineRatingのランキング評価としては、ブラックリストに載っていなければ★が1つ与えられます。
3. 直近10年間で死亡事故があったか?
AirlineRatingのランキング評価としては「過去10年のうち」死亡事故があったかどうかを評価基準にしています。ハイジャック、テロ、パイロットによる自殺行為により死亡事故が発生した場合には、これらを含まないそうです。
死亡事故が発生していれば、★が1つ剥奪されます。
Aviation Safety Network releases 2019 airliner accident statistics
4. FAA(米国連邦航空局)から承認を受けているか?
連邦航空局(Federal Aviation Administration)は、アメリカ合衆国運輸省の下部機関で、航空輸送の安全維持を担当する部局。
Wikipedia
FAAは、航空会社ではなく国に対して「米国の空域」への飛行を許可しています。
5. ICAOの設定する安全基準項目を一定以上満たしているか
ICAO(国際民間航空機関)は国連の専門機関の一つです。国際民間航空の安全と発展を目的として、運航・管制方式の審議等を行い、世界の基本的な航空のルールを決める機関として機能しています。
ICAOは各国に対し、以下の8つの項目の監査を行なっています。
- 主要な航空法の立法および、関連する民間航空規制の設定
- 航空局の組織
- 航空従事者の資格制度
- 航空機の運用
- 民間航空機の耐空性
- 空港
- 航空管制等を含む運行業務
- 事故および重大インシデントの調査
これらのうち、6個以上の項目について監査が行われていれば、AirlineRatingの評価項目としては「安全」と判断され★が一つ与えられます。5つの場合には星が半分与えられます。
6. 所属国の航空局による運航の差し止め
各国当局における、運行の停止処分等の行政指導があった場合には、☆を一つマイナスします。
アメリカであればアメリカ連邦航空局(FAA)、日本であれば国土交通省の航空局などです。
7. 航空会社が旧ソ連もしくは、1990年以前の航空機のみを使用しているか
航空会社が上記の機体を使用していた場合には☆を一つマイナスします。
AirlineRatingのサイトで気になる航空会社の安全性を個別にチェック!
ここからは、上記2020年向けランキングとは別に、AirlineRating.comが提供する各航空会社の「安全評価」をご紹介します。
COMPARE AIRLINE SAFETY RATINGS

各会社名のところをクリックすると、安全性についての詳しいデータ、航空会社の詳細、利用者からの詳細なレビューなども見ることができます。
専用の予約アプリ(無料)
AirlineRatingがおくる航空機の予約アプリもあります。

安全性の評価も同時に見ることができるので、安心です。