飛行機に乗ると、離陸前に機内で必ず「安全ビデオ」が流れます。
モニターのついていないLCCの場合は、客室乗務員さんたちが機内の安全について「紹介・実演」してくれますよね。
どんな機材に乗っていても大体の内容は同じであることから、飛行機に乗り慣れたお客さんの多くが「ハイハイ・・・」と聞き(見)流してしまいがちです。
航空会社によっては、なんとかお客さんが内容に注目するのを促す目的で「魅力的な映像」を用意しているところがあります。
この記事では、そのような工夫がキラリと光る、素敵な「安全ビデオ」をご紹介します。
紹介する安全ビデオは主に国際線で提供されています。
歌舞伎役者たちがご案内! 【ANA】
運行する航空会社の国籍の文化を生かした登場人物や、その国の観光地を紹介する安全ビデオは他にも存在します。
気になる方は是非チェックしてみてください。
豪華有名サッカープレイヤーを起用! 【Qatar Airways】
- ロベルト・レヴァンドフスキ選手(FCバイエルン・ミュンヘン)
- カフー選手(元ブラジル代表のレジェンド)
- ネイマール選手(パリ・サンジェルマンFC)
という、超絶豪華な出演者達が送る「ロッカールーム風」機内安全ビデオです。
かつて2015年には、スペインのサッカーチーム・FCバルセロナの選手らが出演する機内安全ビデオも公開されていました(今は残念ながら見ることができません)。
カタール航空が、国際サッカー連盟(FIFA)(2017年〜22年)やFCバイエルン(2018年〜2023年)とパートナー契約を結んでいることから、彼らの出演が可能になったようです。
ロード・オブ・ザ・リング風の壮大なムービー!【Air New Zealand】
冒頭でロードオブザリングで主人公フロドを演じた俳優イライジャ・ウッド氏も登場しており、こちらも超豪華仕様。
ロードオブザリングの世界観を楽しむことができます。
なぜニュージーランド航空がロード・オブ・ザ・リング?と思うかもしれませんが、実は、映画の中の美しい風景は全て、ニュージーランド国内で撮影されたのです。
今でも「ホビット村」映画セットの残る「マタマタ」という観光スポットもあります。
ニュージーランド航空はロード・オブ・ザ・リング以外にも、メン・イン・ブラックなどハリウッド映画のパロディ動画を作成しています。
前衛的な「安全ビデオ」をつくり続ける航空会社として、今後の安全ビデオにも期待が持たれます。
技術が光るワンショットムービー!【American Air】
アメリカン・エア(American Air)はワンカット動画(One-shot film)による安全ビデオを提供しています。
ワンカット動画とは「カメラ長回し一発勝負」のことです。
要は初めから最後まで「カット」を入れず、ひとつなぎの動画として撮影しているのです。ひとつなぎにするための映像的な工夫・魅力がぎっしり詰め込まれていて圧巻です。
動画の最後で出演者達が大盛り上がりしているのは「ワンカット」の成功を喜んでのこと。
ダンスPV?!ミュージカル?! 【Virgin America】
米格安航空会社ヴァージン・アメリカ(Virgin America)が作成した安全ビデオも秀逸です。
ヴァージン・アメリカは2018年にアラスカ航空に統合されたため、残念ながら今はもうそのブランド名を見ることはありません。
動画は安全ビデオと思えないくらいかっこいいです。
安全ビデオのコメディ(*フィクションです)
映像が古いですが、かつてのアメリカのコメディ番組「マッドTV!」で放送された「機内安全ビデオ」のジョークです。
でも「格安」を追求するというのは、こういうことなのかもしれません。