日本では「覚醒剤」「大麻」と聞くと、
有名人が不法所持によって逮捕されるニュースを思い浮かべることが多いかもしれません。

日本以外では、例えば「大麻の合法化」やモルヒネ成分を含む「オピオイド問題」が話題になるなど、様々な薬物の名前を目にする機会があります。

大麻、覚醒剤、ヘロイン、オピオイド、これらはつまり全部「麻薬」の事でしょ?
基本的にYesですが「麻薬」という言葉は少し注意が必要な表現です。
なぜなら、
「麻薬」と行った場合、文脈によって該当する薬物が変わることがあるから
です。
この記事では、
身を守るための知識として
麻薬の正しい知識をお届けします。
「麻薬」は狭い意味と広い意味がある
「麻薬」と一言で表す際、その文脈によって意味が異なる場合があります。
- ケシとそこから作られるアヘンのこと
- 法律で規制された薬物の総称
ケシという植物から取れる「特定の薬物(アヘン)」のことを指す場合もあるものの、
ヤバイ作用のある薬物をまとめて「麻薬」
と表すことがあります。

ヤバイ薬物全般を指す方の「麻薬」の印象が一人歩きした結果『大麻もコカインもMDMAも全部一緒?』という誤解を持つ人も多いようです。
「麻薬(ケシ)」と「大麻(アサ)」は違う植物
「大麻」と「麻薬(アヘン成分)」は同じだと思ってしまう誤解も多いようですが、、これらは全く別の植物です。


麻薬は「ケシ」という植物ですが、大麻は「アサ」という植物です。
大麻についてはこちらの記事もご参考にどうぞ。
「ヤバい薬物」も種類は様々
広い意味で「麻薬」と言われる薬物は、種類も作用も様々です。


もし「MDMAは覚醒剤ほどヤバくないから大丈夫だよ!」と言われても「違法薬物であること」や「その作用」をきちんと理解していればはっきり「No」と言えると思います。
「麻薬」は古くは主に薬として使われてきた
「ヤバイ薬物」が規制されているのは、その「効果」が強いからこそです。
科学的な検証が進むまで、「麻薬」は「薬」として利用されてきました。
考古学研究では、3万年前における、ネアンデルタール人のケシ採取形跡を残す化石が発掘されており、また文献上では、ケシは6000年前から利用されていた記録がある。
ケシ(Papaver spp.)栽培と阿片の歴史−起源と伝播に関する一考察−
基本的には鎮痛剤、睡眠剤として使われていたようですが、娯楽としての使用もあったようです。
近代に入ってからは「アヘン」から「モルヒネ」が精製されるようになりました。今でも「がん」で強い痛みを沈める目的などで、モルヒネは使われています。
やがて、モルヒネの成分から、さらに中毒性の高い「ヘロイン」が精製されるようになりました。
ベルリン大学病院とバイエルが試験し、1889年に商品名ヘロインで発売に至る(中略)ドイツの科学者は、気管支炎、慢性の咳や喘息、肺結核に効果があると結論づけ、モルヒネなどに代わる依存作用のない薬であると発表、国際的に広告しどのような病気にも効く、副作用のない奇跡の薬のように言われ、医師と薬局から無制限に市場に流れることとなった。
Wikipedia (ヘロイン)

普通に薬として販売されていたとは…。
そういえば、中国とイギリスが戦った「アヘン戦争(1840〜1842年)」なんてのも聞いたことあるな。
日本でも戦前までは普通に栽培されていた記録があるそうです。
日本でも戦前までは罌粟殻(けしがら)を甘草・車前子とともに煎じ咳止めに用いていたが、戦後は罌粟殻がないため行われない。
ケシ(Papaver spp.)栽培と阿片の歴史−起源と伝播に関する一考察−

モルヒネやヘロインの中毒性・危険性がだんだんと明らかになった結果、世界的に規制されるようになりました。
お菓子やパンに入っている「ケシの実」は大丈夫?

実は、日本人なら「ケシの実」は知らなくても普通に食べています。

アンパンのてっぺんや、七味唐辛子、お正月の松風焼き、など、小さなつぶつぶを見たことがあるのではないでしょうか。
これらは、ケシの実ですが、安全です。
食べ物に入っている「ケシの実」は十分に成熟した実を乾燥させており、「麻薬」の成分であるアヘンは含まれいません。
植物の「部位」「成熟度」によって「ヤバイ成分」が含まれるかどうかが変わる
「ケシの実」も「大麻草」も違法になる成分が植物の「成熟度」によって変わります。
<大麻草>の場合
大麻において規制の対象となる「向精神作用物質」はテトラ・ヒドラ・カンナビノール(THC)という物質です。
この成分が多く含まれるのは「花穂」「葉」「未成熟な茎」「樹脂」です。
「種子」や「成熟した茎」にはTHCがほとんど含まれないため、商用利用もされています。詳しくは以下の記事もご参照ください。
<ケシ>の場合
アヘンは「未熟なケシの実」に傷をつけて出た白い乳液状のものを集めて固めたものです。
前述の通り、成熟させて乾燥させたケシの実は大丈夫です。
ちなみに、七味唐辛子にも「ケシの実」も「麻の実」も入っています。

