【上空39km】Red Bull Stratos【成層圏からのスカイダイビング】

「翼を授ける」ドリンクで有名なレッドブル。

実は、レッドブルは、エアレースやF1など「エクストリームスポーツ」のスポンサーとしても有名です。

もともと日本やアジアで飲まれていた栄養ドリンクは「疲労回復」、マイナスをゼロにすることが目的でした。しかし、レッドブルは違う。(中略)0からプラスの状態を作る。飲むことでエキサイティングな体験を可能にする新しいエナジードリンクを生み出した。

レッドブルは飲料メーカーではない?エクストリームスポーツに取り組むワケ

レッドブルがマーケティングで作り上げたイメージとこういった「エクストリームスポーツ」との相性が良いのです。

そんなレッドブルは、2012年10月14日、アメリカのニューメキシコ州、ロズウェルにて、

「成層圏からのスカイダイビング」

という挑戦を成功させています。

Red Bull Stratos (レッドブルストラトス)

Stratos(ストラトス)の意味は成層圏です。

上空39 kmという驚異の高度からのジャンプ。

「ただ飛べばいい」というのとは大違いです。

39 km上空は成層圏なので、雲の上で空気が薄くそして極寒で、落下により物凄いスピートを体験することになります。

ジャンプを成功させたのは、フェリックス・バウムガートナーFelix Baumgartner)氏というスカイダイバーです。

バウムガードナー氏はマッハ1.25を経験しました。

レッドブル・ストラトスのウェブサイトはこちら

こちらの日本語ページも是非ご覧ください⬇️

人類の歴史に新たな一歩が刻まれるRed Bull Stratosが成功!

上空39km「成層圏」はいかにヤバいのか

成層圏ってつまりどこ?

飛行機が飛んでいるのが上空約10km程ですが、上空10 kmから50 kmが成層圏です。

JAXAのサイトにとてもわかりやすい図(空と宇宙の境目はどこですか?)が載っているので是非ご覧ください。

オゾン層があるのが成層圏

成層圏には、太陽からの有害な紫外線を吸収するオゾン層が最も多く含まれます。

特に、オゾン層は上空約20~25 kmで最も濃度が高くなります(オゾン層の詳細は気象庁のページもご覧ください)。

生身の体では血液が蒸発する

地上よりも気圧が低く、地表の約1/10から1/100程度になります。

もし地上と同じ体温を維持することができれば、

自然と血液が(体温で)蒸発

します。

特殊な「スーツ」で守れなければ即死です。

成層圏はどれくらい寒い?

上空39 kmは約-56℃度にも及びます。

ただし「上空に行くほど温度が下がる」のは成層圏の下部そうではなく、成層圏も上部に向かう程、気温が上昇し、成層圏とその上にある中間圏との境目では-15℃から0℃になるそうです(wikipedia)。

とはいえバウムガードナー氏が飛びたった地点は「極寒」地帯です。

下の図には、バウムガートナー氏だけでなく、予行やテストで飛んだジャンパーたちの降下高度が載っています。

ストラトス(本番・テスト含む)でのJumperたちの降下高度と
気温・気圧等について参考図
By Cmglee – Own work, CC BY-SA 3.0

ただのジャンプじゃない入念な準備〜

7年の準備期間

レッドブル・ストラトスチームはジャンパーのバウムガードナー氏とともに2005年からこのプロジェクトの準備をしてきました。

前代未聞の高さからのダイブには大きな危険が伴うため、入念な準備を必要としたからです。

プロジェクトの変遷は公式HPのタイムラインで確認できます⬇️

Red Bull Stratos Mission: Timeline & details

極限環境で「飛びたつ」ための特殊なスーツ

レッドブル・ストラトスチームは、ジャンパーの体を守るため、宇宙服開発を専門にするDavid Clark Companyから宇宙服を購入しています。

極限環境でジャンパーのあることはもちろん、落下で生じる摩擦熱やスピードに耐える必要があります。

スカイダイビングというよりもはや宇宙プロジェックトの勢いです。

バウムガードナー氏本人によるテストジャンプも本番の10月以前に二回行われています。

公式HPより、タイムライン抜粋

ジャンパーの技量・未知の世界

降下時にいわゆる「水平きりもみ」の状態になり、体が1分間に数百回も回転するような事態になれば、視覚や脳に深刻な障害をもたらすだろう。

超音速ダイビング、悪天候のため延期(ナショナルジオグラフィック)

ジャンパーはぼんやりと空中を漂って、適切なタイミングでパラシュートをひらけばいい、というわけではありません。

音速の壁を超えることは予想されていましたが、その際生じる「衝撃波干渉」が「乗り物」に守られていないジャンパーにどんな作用を及ぼすか、全てがわかっていたわけではありませんでした。

地上にいたスタッフたちは、もちろん、ソニックブーム(超音速飛行で発生する衝撃波が生む大音響)を聞いています。

しかし、幸い、計算により予想されていた通り、バウムガードナー氏はインタビューで実際には音速を超えたという実感がないこと、「まるで水に触れずに泳いでいるような感覚だった」と答えています。

出典:超音速スカイダイビング、宇宙旅行の安全確保に貢献も(ロイター)

3つのギネス記録(当時)を更新

バウムガートナー氏は以下の3つのギネス記録を更新しました。

降下中に音の壁を突破。エンジンなどの動力を使わずに「降下」した人類初の記録をつくりました。

  • 有人気球飛行による最高高度記録: 39,045 m (128,100 ft)
  • スカイダイビングにおける高度の新記録: 36,529 m (119,846 ft)
  • 音速を超える人類初のフリーフォール: 時速1,342.8km(マッハ1.24 暫定値)

また「フリーフォール」は4分20秒にも及んでいます。

記録は2014年に塗り替えられましたが、それでも偉業であることには変わりありません。

2014年に記録更新となったスカイダイビングはこちら⬇️

57歳のグーグル幹部、スカイダイヴィング世界記録更新した瞬間(動画あり)

今後の宇宙旅行の安全確保に貢献も

ロイターの記事では、このチャレンジを「宇宙旅行の安全確保にも貢献」すると報じています。

バウムガルトナーさんの担当医師としてこのプロジェクトに参加していたジョナサン・クラーク氏は、2003年、スペースシャトル「コロンビア号」の空中分解事故で妻である宇宙飛行士ローレル・クラークさんを失っています。

クラーク医師は「もし宇宙船が打ち上げ時に空中分解して上空に放り出されても、(宇宙服を着ていれば)生きて地上に戻ることができる可能性がある」と語り、ダイビング成功の功績を評価した。

超音速スカイダイビング、宇宙旅行の安全確保に貢献も(ロイター)

レッドブル公式によるサマリーレポート

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です