【背景の違いを知る】世界で大麻が非犯罪化する理由【日本はダメ。ゼッタイ。】

日本では大麻の所持は「ダメ。ゼッタイ。」

一方、オランダやカナダなど、大麻の所持や娯楽目的での使用が犯罪ではない国もあります。

どうしてこんなに違うの?

このページは大麻(マリファナ)について、

  • 日本とは異なる海外の背景事情
  • 日本の法律

を踏まえ、正しい知識を提供することを目的としています。

決して「海外では使用OK、だから日本でもOKでいいじゃないか」と宣伝したいのではありません。

海外で大麻が非犯罪化する傾向にある理由をざっくり言えば

(他の薬物に比べたら)大麻を厳罰化して取り締まるメリットがないから。」

となるのですが

「なんだ、それほど害がないからOKってことか、日本は厳しいな。」

と一言でまとめられる程、簡単なものでもありません。

世界がどのような対策、考え方で動いているのか、正しい知識を身につけ、自衛する手段(の手がかり)になれば幸いです。

大麻における世界の最近の動き

まず、近年の動向を見てみましょう。

  • カナダでは2018年に娯楽目的での大麻が「合法化」
  • アメリカでは既に11の州が娯楽目的の大麻の使用が可能(「合法化」)
  • メキシコでは2009年から大麻を含む少量の薬物の使用が「非犯罪化」

医療目的での使用は、以下に挙げるように、既に多くの国で使用が認められています。

アメリカ(3州除く)、カナダ、イスラエル、ベルギー、オーストリア、オランダ、イギリス、スペイン、フィンランド、ドイツ、韓国など

医療用大麻は主に、助からない病を患い、それが痛みを伴う場合の終末ケアに使われます。

もともと、医療や研究目的の大麻の使用には寛容でした。

しかし、「娯楽としての大麻」の合法化・非犯罪化が世界的に注目され、広がったのはここ最近の話です。

これには、そうならざるを得なかった複雑な事情があります。

「初めから大麻ウェルカム」ではなかったようです。

薬物の厳罰化に取り組んでいた世界「WAR ON DRUGS」

かつて「大麻を含む薬物」の使用をなんとか減らそうと、世界的に「薬物の使用や売買が厳罰化」された時期がありました。

「薬物」とそれに関わる人々を一掃するための「全面戦争」があったのです。

その流れの一つが、1961年に採択された「麻薬に関する単一条約」です。

麻薬に関する単一条約」とは

麻薬の乱用を防止するため、医療や研究などの特定の目的について許可された場合を除き、これらの生産および供給を禁止するための国際条約。

Wikipedia 麻薬に関する単一条約

アメリカでも1971年からニクソン大統領が「WAR ON DRUGS」を明言し、国をあげた薬物との戦争を開始。

大麻やヘロインの最大産地となっている隣国メキシコをはじめ、中南米に対する軍事介入、金銭的援助を行いました。

世界が経験したWAR ON DRUGSによる悪夢

では、世界的な取り組みによって薬物の使用や生産を減らすことができたのでしょうか?

答えはNOでした。

Why The War on Drugs Is a Huge Failure
(英語ですが、以下に日本語の解説サイトがあります)

薬物の取り締まりはなぜ失敗するのか、どうすれば撲滅できるのかを解説したムービー – GIGAZINE

世界的に薬物に対して厳罰化、取り締まりを強化の結果、麻薬の押収量や逮捕者は各国で増えていきました。

一方で、皮肉な事に、時間がたつほどに麻薬の取引価格はどんどん下り、純度が上がっていくという、望むとは逆のことが起こり始めました。

より「純度の高い薬物」が取引されるようになってしまった?!

中毒者・受刑者はどんどん増え、付随してHIVの患者も増加。

また、アメリカが介入したメキシコでは、報復行為などの暴力事件が多発しました。

2006年12月にメキシコのフェリペ・カルデロン大統領は就任直後から大規模な麻薬密輸組織掃討作戦に乗り出したが、治安当局への報復攻撃などにより4年間で死者が3万196人に達した

Wikipedia 麻薬戦争

メキシコでは今も、覇権争いなど、麻薬ビジネスに伴う混乱が続いています。

なぜそんなひどいことになってしまったのか?

それは規制されようが価格が上がろうが、薬物の需要が下がらないからでした。

売り手は儲かるので、違法だろうと何だろうと、売るのをやめません。

規制が厳しくなっても、流通経路を「工夫」するだけなのです。

例えば、規制を逃れるために「場所を取らないよう小さくしよう」という努力の結果、薬物の純度が上がるのです。

『違法だとわかっていても使ってしまう人』にいくら「絶対ダメだぞ!」と言ったところで、効果はないのです。

「対麻薬戦争は失敗」世界で流通量増加 報告書 【CNN】

「中毒者をなくす」のではなく中毒者の「社会復帰を支援する」

薬物に対する罰則を厳しくしても薬物自体(の流通)を減らすことはほぼ不可能である事がわかってしまいました。

薬物の中毒者が増えてしまうのは、社会にとっても大きな問題となります。

  • 薬欲しさで犯罪を犯す
  • 働かず浮浪者になる
  • 貧困に陥る

各国の政府は「薬物のせいで生活が破綻してしまう人」「貧困に陥る人」達をなんとか救い出す方法がないかを真剣に考えました。

薬物はなくならない、それなら、薬物を使用してしまった人を廃人にせず、社会で生きていけるような方法をつくるしかない。

そう方向転換したのです。

つまり、海外では『法律で禁じても違法薬物を使ってしまう人が多い』傾向にあり『厳罰化しても使用者を減らす圧力にはならない』という状態がずっと続いているのです。

ダメ絶対!が浸透している日本とは全然違います。

日本の法律と「ダメ。ゼッタイ。」の現状

日本では「大麻ダメゼッタイ」の抑止力がよく働いています。

そのため、一生のうちに薬物を体験したことのある人の割合は、非常に低い水準で止まっています。

下のグラフは「全国15歳以上64歳以下の生涯経験率(%)」を表しています。

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日本の生涯経験率の割合は、大麻1.4%、有機溶剤1.1%、覚醒剤0.5%、コカイン0.3%、危険ドラッグ0.2%です。

今は大麻を「非犯罪化」または「合法化」している国(オランダ、ポルトガル、カナダ、アメリカの一部の州)では、そもそも合法化する以前、「違法薬物が「違法」だった頃」からすでに、一般人にとって「薬物」がかなり身近なものでした。

日本とこれらの国の結果はかなり対照的です。

アメリカでは、死ぬまでの間に1回でも違法薬物を使う国民は、50%を超えるけど、日本の場合には1~3%程度。かなり違います。

つまり日本では現状の「使用を禁止 = 所持していると逮捕」という圧力が十分に働いているといえるのです。

このまま多くの人が「罪」を恐れて使うのを躊躇してくれるなら、今のまま「ダメゼッタイ」を変える必要がないと言うことです。

「非犯罪化」と「合法化」

よく「大麻が合法化」というのを聞くかもしれませんが、法的な「大麻に対する寛容性」としては大麻の使用・所持の「非犯罪化」というものがあります。

『合法化』は、所持や使用の一切を刑罰の対象にしない。栽培や販売もOKなので、政府がこれらの取引に税金をかけることもできる。

『非犯罪化』は、所持や使用は「罪」ではないので逮捕はされない。ただし、栽培・販売などの一部が規制され、処罰の対象となる。(「スピード違反で罰金」のような感じ)

もちろん大麻を「合法化」している国であっても、お酒のように年齢制限があったり、所持できる量、栽培できる量に決まりがある場合がほとんどです。

各国の大麻の規制(医療用大麻以外)

:非合法、:合法/一部合法、黄色:非合法だが非犯罪化、ピンク:非合法だが法的強制力なし、灰色:不明

各国の大麻の規制(医療用大麻以外)
By Jamesy0627144 (Wikipedia)

合法化のメリットは?

麻薬の中毒者を救うのに「非犯罪化」だけでいいなら「合法化」する必要はないのでは?と思うかもしれません。

「非犯罪化」では大麻の「栽培」や「卸し(組織的に生産して会社に売る)」が違法であるため「違法な取引」「流通」を止めることはできず、結局、犯罪の温床になり得ます。

「合法化」には以下のようなメリットがあると考えられています。

  • 大麻を合法化することで、大麻の流通を国のもとで管理できる
  • 大麻から得られる税収入は公共事業に還元できる
  • 大麻を使ったビジネスが可能になる
  • 「違法」な取引によるマフィアの資金源を断てる

合法化したところで、これらの「メリット」全てが予想通りにうまく働くとは限りません。

しかし、薬物を厳しく取り締まることで巻き起こる様々な弊害、悪夢を経験してからこその、新しい方向転換の一つと考えることができます。

ハームリダクション(Harm Reduction)による中毒者の救済

世界では「ハームリダクション」と言う考え方があります。

薬物を「非犯罪化」または「合法化」すると、中毒者を「犯罪者」として社会から追い出すのではなく「治療の対象者」として支援する方向に動くことができる。

ポルトガルでは2001年に、少量の違法薬物の所持や使用への刑罰をやめ、代わりに、薬物使用者への福祉サービスや、経口摂取できる薬物(注射器を使わせないようにする)を処方するなどの対応を始めました。

その結果、コカインの使用者数やHIV感染者数が減少しました。

オランダやスイスでもこの「ハームリダクション」が成功しています。

使うなら大麻の方がマシ

世の中には、大麻よりも中毒性が高い薬物として、例えば「コカイン」があります。心身への影響が大きい薬物で、これらをハードドラッグと呼びます。

一方、大麻はハードドラッグと比べれば、体への負担が少なくソフトドラッグと呼ばれています。先ほどのグラフでもあった通り、海外では、ソフトドラッグは一般人にとってかなり身近なものです。

仮にソフトドラッグを強く禁止すれば、ソフトドラッグがハードドラッグと同じ位置付けとなます。

そうなると、ソフトドラッグの使用で止まっていた人が、依存性の高いハードドラッグに手を出す可能性を与えてしまいます。

そこで、大麻使用の制限を緩める事で、より危険な「薬物」の使用リスクを減らそうと考えました。

使ってしまうならいっそ、大麻の方が「まだマシ」と考えたのです。

日本の「大麻取締法」について知る

日本では大麻取締法という法律があり「大麻草」の「所持・栽培・輸入」がいずれも禁止されています。

原則としてこれらを行うと逮捕されます。

一方で、実は、麻薬として使わない「大麻草」自体は身近にあふれています。

例えば「茎」は「麻織物」や神社の「麻縄」等に、「麻の実」は七味唐辛子の香辛料の一つとして使われている大麻草です。

大麻取締法が「大麻」と定義しているのは、大麻草の「未熟な茎、葉、花穂」なので「成熟した大麻草」の使用は問題ないのです。

そのため、大麻取扱免許を持つことが許された一部の人のみが「大麻の成熟した茎・実」の使用を目的として栽培することができます。

「ダメ。ゼッタイ。」のお陰で殆どの人が大麻を使わない日本

日本で「大麻の合法化」と聞くと「今までは違法だったから使わなかった。でも『興味がある人』はどんどん使うようになるのでは?!」という気持ちになります。

しかし、日本は『厳罰主義で使用者が少なくて済んでいる国』です。

そのため、薬物中毒者や薬物による逮捕者など、それで生活が破綻してしまう人の数は、他国に比べれば社会問題化する程多いとは言えません。

こう言う場合、果たして非犯罪化や合法化に意味があるのかは、判断が難しいのではないでしょうか。

むしろ「興味のある人」が大麻に手を出すきっかけになるかもしれません。

大麻を合法化するしない、よりも、そもそも日本では「中毒者」を救済する仕組みがほとんど発達していません。

薬物中毒者の更生に効果的な政策が必要です。

合法化してる国に行けば日本人も大麻を使っていいの?(ダメ。ゼッタイ。)

日本の大麻取締法は「海外で行った所持についても処罰の対象」としています。

「海外での所持・使用」を現実的に立証するのは難しいとも思いますが、法律が適応される範囲内だと言うことは覚えておくべきです。

海外だからと言って、ハメを外さないようにしましょう。

世界の対策方法と日本の対策方法は違います。繰り返しますが、日本では大麻の所持・輸入・栽培は「ダメ。ゼッタイ。」

警視庁の大麻についてのサイトも参考に見てみてください↓↓↓

https://www.npa.go.jp/bureau/sosikihanzai/yakubutujyuki/illegal_cannabis/

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