投資に興味はあるけれど、何となく「投資は怖い」というイメージが無いでしょうか?
「100万円が一瞬で溶けた」「投資に失敗してウン千万の借金を抱えた」
「金融取引」ができる商品、いわゆる「金融商品」には様々な種類があります。
「株式」「投資信託」「ETF」「不動産」「REIT」「FX投資」「先物」「ビットコイン」などなど、それぞれの「悪い」部分のイメージがごちゃごちゃに混ざって漠然とした「不安」がつくられます。
私も『投資をしたら、自分が出したお金以上の損失が出て借金する?!』と思い込んで何にも手を出せ無い時期がありました。
しかし「それぞれの投資商品の性質」や「取引方法」を理解することで「何が何やらわからないうちに突然損失が出て借金地獄に陥る」ということはまず無いということがわかりました。
このページでは主に「株式」(乱暴に言えば不動産以外の投資商品全て)の取引が二種類あること、そして、特にその中の『信用取引』をしなければ「買った時に支払った以上の損失が出る」ことは無い、ということをお伝えします。
また、以下の単語について理解を深めます。
- 現物取引
- 信用取引(信用買い、空売り)
- 追加証拠金(追証)
- レバレッジ
- ロスカット(強制的な決済(損切り))
- 仕手株
投資する「対象」と「方法」をきちんと知り、楽しい投資活動を始めましょう。
必要な基礎知識を正しく身に着けることが投資の第一歩です。
「信用取引」をしなければ借金は生まれない
株式投資には「現物取引」と「信用取引」というのがあります。
「現物取引」とは、上場されている株(現物)を『今持っている現金』で購入することです。
例えば、1株 = 2000円の株Aを、2000円を出して1株買う、という取引です。
いわゆる誰もが想像する「普通の」株の売買です。
株の売買では、1株2000円の時に買い、1株2100円の時に売った時、その差額100円から取引手数料と税金を引いた額が「儲け」になります。
一方で「信用取引」とは、株(現物)を『借金をして今は持っていないお金』で株を売買することです。
話をわかりやすくするために「信用買い」について、数字を簡略化・やや誇張して説明します。
- 株Aは今は1株 = 2,000円だが、明日には1株3,000円になりそう
- 現資金の2,000円では1株しか買えす、儲けは1,000円しか得られない
- もし2万円あれば10株買える
- 10株買えば1,000円x10で1万円も儲かる
この時、何とこの「今は手元にない8,000円」を「証券会社」から「信用」を担保に借りることができ、A株を10株買うことができます。
これが「信用取引」です。
実際には「信用」で担保される額は「最大自己資金の約3.3倍」という決まりがあるので、もし上の人が本当に2,000円しか自己資本を持っていなければ、買えるのは約6,600円分までです。
担保になる「信用」とは、具体的には「株取り引きのための証券口座」の残高(現金)や、すでに持っている有価証券(株など)が対象になります。
「信用取引」の何が問題かというと「借りている」ので、当然ながら「返すまで」利息が発生しつづけるということです。
「現物取引」であれば「買った時」「売った時」にだけお金の流れが発生しますが、「信用取引」は「買ってから売るまでの間ずっと」お金が流れ続けるようなイメージです。
また、もし予想したような利益が出ず、損失が「ある一定の割合」を超えた場合、証券会社は「強制的に取引をやめさせる」か「保証金をさらに払わせてから取引を継続させる」の二択を迫ります。
強制的にやめさせること = ロスカット(強制的な決済)
補償金をさらに払わせる = 追加保証金(追証)
このように「無いお金」を賭けて投資をすることを「レバレッジをかける」「レバレッジを効かせる」と表現します。
自分はビビリなので「追証」は何だか「うちの借金返すために、別のところからでもなんでも金借りてこんかい!!」と怖い人に凄まれている気がします。。。
もう一つの信用取引「空売り」
先ほどは「買う」時の話でしたが今度は「持っていないはずの株を売る」という「空売り」について説明します。
空売りは簡単にいうと『株価が下がる時』に儲ける仕組みです(売買にかかる手数料は考慮していません)。
- A株の今日の株価は3,000円だが明日には2,000円になりそう
- 持ってはいないA株を10株「持っている」ことにして売る
- 3,000 x 10 = 3万円が手に入る
- ただしこの時「ないはずだった『10株』は借りている」状態なので「返す」必要がある
- 次の日A株が2,000円になってから10株を買えば費用は2,000 x 10 = 2万円で済む
- 1万円が儲けになる
「持っていないはずの株」「持っていないはずのお金」で売買ができることや、株価が下がる時にも「利益を得る仕組み」があることは純粋にすごいことですし、金融商品としてリスクを承知した上で取引をする分には良いでしょう。
しかし、やはりこれは「利息がいくらになるか分からない」借金だと考えることもできるので、素人は手を出すべきではない、という感想がまず先に来ます。
借金の敵は「信用取引」と覚えてください。避けるべきは『信用買い』『信用売り(空売り)』です。初心者は迂闊に手を出すべきではありません。
株取引をしていて間違って「信用取引」してしまうことはあり得る?
普通に株を売買したかっただけなのに「知らない間に信用取引してた?!借金が!?」となるのが一番恐ろしいと思います。
しかし、安心してください。
信用取引には審査が必要な「信用取引専用口座」が必要です。
少なくとも有名どころの「住信SBI証券」と「楽天証券」では「専用口座」を開く必要があります。
つまり「申請」さえしなければ「知らない間に取引口座にログインして信用取引をしていた・・・」なんてことは起こりません。
証券会社側も誰にでもホイホイお金を貸すわけにはいかないのです。扱いとしてはクレジットカードの審査などと同じです。
「知らずにリボ払いになっていた!」などという恐ろしいことは無いので「現物取引」目的で開いた口座では、安心して取引を行ってください。
SBI証券の開設はネクシィーズトレードへ参加(売買)イコール「信用取引」になりがちな金融商品
原則、以下の商品は「現物取引」と「先物取引」の両方が可能です。
しかし、意識して「信用取引」を選ばない限り「参加(売買をする)」=「信用取引になる」ことはありません。
- 株
- 投資信託
- ETF(Exchange-Traded Fund = 上場した投資信託)
- REIT(Real Estate Investment Trust = 不動産投資信託)
ただし、初めてしまえば即『先物取引』となってしまう、あるいは、信用取引(レバレッジをかける、空売りする)ことがほぼ前提とも言える、いわば「信用取引」に性質が近い先物取引との親和性が高い金融商品もあります。
- FX(Foreign Exchange)
- デリバティブ(先物取引・オプション取引・スワップ取引)
FX取引も、厳密には「信用取引」をせずに現物取引をすることができますが、多くの人はFXでレバレッジをかけた取引をするので(むしろそれが目的とも言えます)、今回は初心者は手を出さないほうがいい「参加=信用取引」のカテゴリーに加えました。
証券口座と違い、FX口座は作ってしまえば「すぐに信用取引」ができてしまう点も「参加=信用取引」にカテゴライズした理由です。ビットコインもここでは「売買する通貨」という側面を強めにみてこちらに入れました。
投資には目的に合わせて「金融商品」を選ぶ必要があります。
いろいろなことを調べるのは面倒ですが、資産形成のためにはまず「はじめの一歩」を踏み出さねばなりません。
この記事が「投資は怖から何もできない…」というところから脱却するのに役立てば幸いです。